大規模修繕工事

14期に1回目の大規模修繕工事を実施、長期修繕計画では第27期に2回目の大規模修繕の予定、妥当か?

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは12~15年周期、マンション大規模修繕工事に関する実態調査では概ね1回目は築13~16年前後、2回目は築26~33年前後となっていますが、その時の建物の状態によります。劣化診断を実施し判断するのが望ましいでしょう。

長期修繕計画では22期に機械式立体駐車場(屋内)を更新する計画になっている、妥当か?

屋内の施設なので耐用年数は長いと考えられますが、日常のメンテナンスに留意し長寿命化を目指し、劣化状況を見て判断してはどうでしょう。更新時期はメーカー系のメンテナンス会社からの提案なので、独立系のメンテナンス会社にも劣化診断を依頼して参考にするのも有効と考えられます。又、部品供給の状況も確認しながら判断してください。

管理業務等の委託

2年前に自主管理から管理会社への全面委託管理に切り替えたが、当該管理会社から受託管理を辞退したい旨の申し出を受けた。当該管理会社の新たな親会社となった会社の経営方針を受けて決定されたとの事。
新たな管理業者への業務引継ぎのための暫定的契約延長は可としているが、早急に新たな管理会社を探す必要がある。
2年前に初めて管理会社を起用する際に大変苦労をしたが、今回新たに管理会社を探すにはどうすればよいのか?

管理会社にはマンション管理適正化法により国土交通省のへ登録が義務付けられ、現在約2,800社が登録されています。
その内の約350社がマンション管理業協会正会員です。
マンション管理業協会の会員企業が優良企業であると判断できるものではありませんが、協会のホームページで各社の情報が公開され、確認することができます。
その中から、マンションの近傍に本社、支店、営業所がある管理会社を調べることもできます。
又、同協会はマンションの管理適正化法律規定する指定法人であり、同法に規定する保証業務を行っています。
候補とした会社から見積書を取得し比較し、ヒアリングを実施するなどしっかり調査・検討した後に選定することが重要です。

臨時総会で大規模修繕工事の実施が決議された。相見積をせず管理会社に発注しているので異議を申し立てたが、管理会社は相見積を行ったとして取り上げてくれない。
また、管理会社が実施した相見積の参加業者や情報を教えてくれない。不適切ではないか?

管理会社に工事を発注した場合は、管理会社が元請けとなって管理会社の関連会社、協力業者の中から下請け会社を決めることが多いようですが、管理組合が相見積を行ったとは言えません。
管理組合が主体となって複数の業者から見積を取り、検討する事が望まれます。その結果として管理会社に発注することもあります。
元請けである管理会社は下請け業者の仕事に対して責任を持つ必要がありますが、管理会社と下請け業者との関係は管理組合からすると当事者ではなく第三者になりますので、情報の開示を求めることは難しいでしょう。