ご挨拶
兵庫県では、現在、築 40 年超のマンションは 8.1 万戸に上り、10 年後には約 2.5 倍の20.1 万戸、20 年後には約 4.5 倍の 36.8 万戸となり、老朽化マンションが急増すると見込まれています。
今後は、これら建物の老朽化に加え、居住者の高齢化や住民の賃貸化、空き家の増加が進むと予想されます。このことは、やがて役員の担い手不足や修繕積立金の不足を招き、管理組合が十分機能しなくなる管理不全マンションの増加が見込まれます。管理不全といわれるマンションが増加するにつれて、防犯・防災上の危険性や都市景観の悪化など周辺の住環境に与える影響も大きくなり、生活の安全・安心が損なわれる事態を招くことになります。
こうした事態を未然に防ぐためには、マンションの住民自らが適正な維持管理に努めることが要請されていますが、マンションの管理はますます専門化、複雑化が増してきており、管理組合の自助努力にも限界があり、マンション管理の唯一の国家資格者であるマンション管理士の活躍が求められています。
私たち(一社)兵庫県マンション管理士会は、設立以来20年に亘って、(一社)日本マンション管理士会連合会の一員としてセミナーの開催、アドバイザー派遣、無料相談会の実施、管理適正化診断サービスの実施、第三者管理者に適用される管理組合損害賠償金給付制度の普及などを通じて、管理組合の自立を促すとともに、公正な第三者の立場で管理組合の支援を行ってまいりました。
また、令和3年6月の「マンション管理適正化法及び建替え円滑化法」の改正を受けて、マンション管理も新しい時代を迎えました。「管理計画認定制度」が創設され、マンション管理の在り方が市場での評価によって、マンションの資産価値を左右するという時代に入ったのです。
当会では、これら行政における指導・助言・勧告等はもとより、認定手続き支援サービスにかかる事前確認審査事務においても、日管連・認定マンション管理士の積極的な参画を図り、本制度の普及に全面的に協力しながら、マンションの将来を見据えた適正な管理運営のお手伝いをさせていただきたいと考えています。
一般社団法人 兵庫県マンション管理士会
会長 森口 二郎